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2013年1月(1)


No.4 「バック事故防止」のための一考察

「車両事故再発防止研修」から「現場改善運動」へ

 

「一つの事故」を個人の問題ではなく、組織の問題ととらえ、全体を改善するにはどうしたらいいか?

 

 

backjiko1.8.jpg

 

   先月、ある企業の「車両事故再発防止研修」を実施しました。

参加者は15名。その内、「バック事故」は6件。

校内コースで、「事故の再現」をし、全員でその原因や今後の対策

を考えました。

 

   そのときの研修場面をご紹介し、「研修実施企業の車両事故を根

絶するにはどうしたらいいか?」を考えてみたいと思います。

 

 

 

                                                 「バック事故の事例研究」

 

             事故の真因を探る場面(直接的原因は、「後方不確認」です。)

 

 

     研修生Aさん(56才、この事故の当事者ではない)とのやりとり・・・

        Q1「なぜ、このようなバック事故が起こったと思いますか?」

        A1「後方確認をしないからです」

        Q2「なぜ、後方確認をしないのでしょうか?」

        A2「会社の決り(「一回り確認」)を守らないからだ」

        Q3「なぜ、会社の決りを守らないのでしょう?」

                        しばらく沈黙があり…

        A3「面倒臭いから」

 

 

   このような「面倒臭い」という背景的要因を、「けしからん!」「弛んでる!」と、一刀両断のもとに

切って捨てるのは簡単ですが、自分自身も含めドライバー全員に孕んでいる組織全体の問題ととらえるこ

とが重要です。

 

   なぜ、「バック事故」を防止するための根源的要件である「後方確認」が、「面倒臭い」という感情で

いとも簡単に省略されてしまうのでしょうか?

 

   この問題は、作業現場で「ヘルメットをかぶる」問題とよく似ています。

  「なぜ、ヘルメットをかぶるのか?」という問いに対する答えが、「『会社の決まり』『マニュアルに

あるから』」という理由だけであるなら、「暑いから」「面倒臭いから」といった、つまらない理由で

装着を怠ってしまいがちになり、「安全第一」のポスターやマニュアルも、かけ声倒れに終ってしまい

ます。

 

   大切なのは、自分の現場、自分の仕事にとって、ヘルメットのもつ意味は何なのかを理解することです。

 

   これと同じように、バックにおける「後方確認」も、「一回り確認」の真の意味を理解していなければ、

「やらされている」という低次元の問題に矮小化されてしまい、「面倒臭い」という感情で省略されてし

まいます。

 

 

     「バック事故は、なぜ起こるの?」

     「『一回り確認』は、何のために、誰のためにするの?」

     「やらされているから、やるの?」

     「『自分の安全』は、誰が確保するの?」

     「会社や上司が守ってくれるの?」

 

 

   このように、「決りだから」「マニュアルにあるから」やるのは当たり前だと思われている日常行動

(安全行動)の一つひとつについて「なぜ?」を問いかけ、本音で理解することで、「自ら考え行動する

人」は、育っていきます。

 

   事故の原因を個人の責任で処理したり、他責やうわべだけの原因究明で終わらせたのでは、研修実施企

業の「事故撲滅」というニーズに応えることはできません。

現場で発生した事故を現場の人達で、その「原因」と「対策」を考えていくことを支援し、「対策」の実

践状況をフォローしていくことで現場の改善運動はすすんでいきます。

 

 

       「バック事故」撲滅のための現場改善設計図

 

 

           事故形態

バック事故

              ↓

 

          直接的原因

後方不確認

              ↓

その時の状況

 

   ①お得意先への訪問に気をとられ、注意散漫になっていた。

   ②幹線道路でUターンしたが、一回でまわりきれず、あわててバック(切り返し)した。

   ③右後方ばかりに注意が片寄り、左前方の車に気がつかなかった。

   ④誘導者はいたが、窓を開けておらず、誘導者も見ていなかった。

   ⑤誘導者はいたが、窓が開いていなかったので誘導者の合図に気づかず、左後方に注意が片寄っていた。

   ⑥一回訪問したことがあるロケーションだったので緊張感を欠き、早く作業現場近くまでバックしてい

  きたいという気持ちが先行していた。

              ↓

背景的原因(真因) 「なぜ…?」を5回以上繰り返す!

 

運転(バック)以外のことに気をとられていた

              ↓

改善策(日常行動の改善)

 

 「会社の方針」(案)

     1 バックをしない

     2 バックゼロにできないときは極力回数を減らすよう営業ルートを考える。

     3 止むを得ずバックするときは、後退する距離を極力短くする。

     4 自分の目で確認しない(できない)かぎり、バックしてはいけない!!

     [毎日バックした回数を記録し、支店のボードに記入しておく(視える化)]

 

 バック発進するときの確認

      1   後まわり乗車

      2   車内で昼食をとったり、次の仕事の準備のため、発進までの時間が経過したときは、

           再度下車確認する。

 

 バック駐車する場合(前進の継続でバックするとき)

      1   進入路を確認する。

      2   進入路が確認できないときは、下車確認する。

        (誘導者がいても、自分の目で確認する)

 

 

                                                20.5.1に発信したメルマガより

                                                   株式会社 備南自動車学校

                                                    代表取締役  井上 道信

                                                 日本交通心理学会認定 交通心理士

                                                                          

 

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