備南自動車学校プロドライバー紹介センタ-
  1. HOME
  2. 総務部長通信 心の運転Blog
  3. 2013年11月

2013年11月(1)


NO.6 ドライバー不足解消のための物流大学構想


 

 

 三位一体で推進を

 

 

 我が国のGDP(国内総生産)は2012年で約500兆円だが、物流業界の売り上げ規模は44兆五千億円に上り、GDP比は8・7%もある。

国内の強い物流企業は、提携やM&A(企業の合併・買収)による業界再編を行いながら、成長著しいアジアなどに進出し、売り上げを拡大している。また、荷主企業は物流業務全般をアウトソーシング(業務の外部委託)する傾向を強めており、物流業界は極めて高いポテンシャル(潜在能力)を持っている有望な業界と言えるだろう。


 しかし、若者の物流業界に対するイメージは必ずしも良いとは言いがたい。首都圏の運送会社で働く20歳代のドライバーへの意識調査によると、入社前は「怖そう」「きつい、大変」「長時間労働」などマイナスイメージが回答の40%にも及んでいる。

ところが、入社後の調査では「意外に休みがある」「楽しい」などのプラスイメージが26%あり、先入観でかなり損をしているようだ。

物流業界の人材不足が指摘されて久しいが、若者の車離れと中型免許制度の問題に加えて、若年層の就職先としてあまり意識されなくなっている実態が浮かび上がってくる。


 備南自動車学校ではプロドライバー養成講座を開設するとともに、有料職業紹介業の許可も取得して、講座を修了した人材を運送会社に紹介する事業も手掛けている。しかし、単独での取り組みでは物流業界の人材不足の問題を解決するのに限界がある。

そこで提案したいのが、トラック協会と大学、自動車学校が三位一体となった物流大学構想だ。


 周知のように少子高齢化が進み、地方の大学や専門学校は何か特長を打ち出さなければ生き残るのは難しい状況だ。

そんな中で、警察官や消防士の養成に特化した大学や専門学校が増えており、志望する若者も増加傾向にある。

この先例を参考に、全ト協や都道府県トラック協会がバックアップして大学や専門学校に物流専門のコースを創設してもらい、自動車学校が運行管理者資格の取得などを通じて側面からサポートする体制を作ってはどうだろうか。

物流に強いという特長を打ち出すことで大学側も将来の道が拓けてくる。


 まず目を向けたいのは、大手物流企業へ就職する幹部候補生の育成だ。現状では、物流のスペシャリストを育成する教育機関はもちろん、物流の専門家も大量に不足している。

物流に関連した資格は多く、これらを体系的に教える場が必要だ。例を挙げれば、運行管理者はもちろん、ロジスティック管理2級・3級、ロジスティックオペレーション2級・3級、通関士、貿易実務検定などがある。一方で、多くの物流企業が海外進出をしている現状を考慮すれば、海外留学を必須条件にしてもいいだろう。


 一定レベルの知識や技能を持った人材が採用できれば、3~5年ぐらいは現場を経験させてもいい。これにより、ドライバーもある程度は補完できるだろう。若手人材にすれば、仮に幹部になれなくても運行管理者の道がある。若くても任せてもらえる業界は若手にとってはやりがいがある。


 実は当校も地元の大学に3回生を対象とした運行管理者国家試験受験対策集中講座を提案しているが、一朝一夕にはいかない。しかし、全ト協のように大きな全国組織がバックアップすれば大学の出方も違ってくるのは間違いない。また、学生の親にも安心感が出てくる。全ト協なら大学の物流講座に専門講師を派遣することもできるだろうし、業界の人材不足解消に効果が見込まれれば資金援助する価値も出てくる。こうした取り組みが軌道に載れば高校卒業者にも目を向け、工業系の高校などに物流専門のコースを設けてもいい。 


 文部科学省の調査によると、大学を今春卒業した約56万人のうち5・5%に当たる約3万人が就職や進学をせず、準備もしていないという。このうち大半が、いわゆるニート(若年無業者)とみられている。
 物流業界はポテンシャルの高い有望な業界であり、もっとPRすれば就職先の選択肢の一つとなり得る。トラック協会と大学、自動車学校が手を組んで特長のある施策を打ち出すことで、不幸なミスマッチを少しでも解消し、ニートを含めて若い人の雇用を吸収できれば国のためにもなる。 

 

 

ページの先頭へ戻る

    ページの先頭へ戻る